JMMAA百物語26’ あとがき(イケメン)

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 こんにちはこんばんははじめましての方ははじめまして。日本マーダーミステリー作家協会で理事の末席を汚させて頂いております、イケメンと申します。主にオンラインでマーダーミステリーを制作したり、Discordでセッションを募集できるロビーサーバーを運営したりしています。
 昨年に引き続き、今年も八月末日に『JMMAA百物語』を開催しました。協会のDiscord部会では、こうしたオンラインでの協会イベントの企画・運営・進行を担当しています。
 YouTubeライブのアーカイヴが残っていますので、是非御覧下さい。

https://youtube.com/live/kYaFVJ6PidI

 協会に所属するマーダーミステリー作家たちが、寄って集って創作怪談を持ち寄り、語る。ただそれだけのイベントです。ただそれだけのことが、めちゃめちゃ面白そうで楽しそうで。そんな面白いこと協会内だけで終わらせるのではなく、広く世間に発信しようということになりまして、今年もYouTubeで配信することになりました。

 今回皆様にお届けしますのは、この百物語の「あとがき」です。
 協会の作家陣が、どんな事を考え、どんな着想をし、どんな工夫をこらして創作怪談を作り上げたのか。そんなことを、登壇された皆さんに伺い、まとめたものになります。

 ですからどうか上記の動画をご覧になった上で、この先をお読み下さい。
 そして、当会九尾共同代表のように「ホラーはどうしても苦手! 見れません!」という方。申し訳ありませんが、この先は読まずに他記事へお移り下さい。

目次

百物語レギュレーション

 参加された作家さんたちに事前に共有されたレギュレーションは以下の通りです。
①自身で語る前提(応相談)
②5分程度で語れる内容であること
③演出は応相談
④自身の創作怪談を1~2本
⑤あとがきも書く

 この条件下で、皆さん頭を捻って、当日に臨んで下さいました。
 以下はイベント終了後に書いて頂いた「あとがき」になります。

作者別あとがき(登壇順)

◆イケメン

『続・百物語』
 今年もチュートリアル的な初っ切り話を。昨年に引き続き、百物語ネタで一本考えました。とは言え、ちょっと分かりづらかったかなーと反省です。更に初っ端から尺をオーバーしてしまいました。チュートリアルなのに!
(人数)×(1~3年)×(本数)+(人数)×(年数)=100 を満たす条件を考えるのが一番苦労しました(笑)
 オープニングで九尾さんが「もう蝋燭消したらバースデーソングとかでいいじゃん~~」とぐずってくれたのが、オイシイ気持ち半分、ネタ割れたかという焦り半分で! 良いネタ振りをありがとうございました!!
 協会の火曜雑談会でもネタ出しに付き合ってもらいました。また困らないよう、今から来年用に百物語ネタをストックしときます!!

◆オオツカ

『ハローワークで相談員さんから聞いた話』
 お聞きいただきまして、ありがとうございました。
「しいちしや」「りにひいや」は、キーボード配列のアルファベットとかな入力を入れ替えたもので、しいちしや=DEAD7、りにひいや=LIVE7、となっています。呪いの言葉をこのように表現するというネタは、お気づきの方も多いと思いますが完全に去年他で見たのを引っ張ってきたやつですね……。それ以外の部分は、家でぼんやりしてる時になんとなく喋ってみたら5分ちょっとに収まったので、それをそのまま使いました。
 ハローワークの職業紹介部門には、様々な属性を持った方々が、様々な思いを抱えて実際訪れます。その思いは年月を経て堆積し、やがて「場」を形成するものです。
 そうした場にあちら側の存在が引き寄せられてくることも、あるのかもしれません。
 ハローワークに来るときは、不慮の遭遇にどうかお気を付けください。
 それと、お仕事やめる前は一度相談しておくのがおすすめです。雇用保険のこととか。

◆ゆうすけ

『AIに聞いた』
 昨年に続き今年も怪談をご用意させていただきました。怖い話ってなんだろうって考えながら、今風の身近にある恐怖的な観点から、AIを題材に考案しました。非現実的な話とかファンタジーや怪異も好きなのですが、私にとってはこういう方向性の方が書きやすいのかもしれません。ホントはもっとぶっとんだ話とか、「なんじゃこれ」って言われるようなもの書きたいんですけどね。
 ホラーはそこまで造詣ないのですが、「世にも奇妙な物語」が大好きで、いつか自分の原作作品がこれに登場することが夢のひとつです。
 5分程度の短い分量で物語としてまとめるというのは、難しくもありやりがいのある挑戦でもあります。そして怪談風の読み方や語り口なども学びたいです。今回の作品は内容的にも、ホラーっぽく話すのではなく普通に話す方がいいだろうなと思ってはいたのですが、こういう機会だからこそ、いつもと違う方が楽しめそうですよね。ありがとうございました!

◆しゃみずい①

『学校の窓』
 今年もやってまいりました百物語!
 去年にも開催した当会のオンラインイベントで、前回に引き続きの参加となります。
 前回とは違った毛色でいきたいと思いまして、実話「風」怪談を持ち込みました。
 しゃみめの本業は建築業の経営でして。経営と申しましても吹けば飛ぶような会社ですもので、自身、現場に出て手仕事に精を出す日々です。
 そんな毎日のなかで培ったデティールを前面に出せば、きっとリアリティ(リアルである必要はない)を形にできると思い、筆を取りました。
 実際、学校の改修工事というのは、お話しいたしましたようなものです。
 作中の用語、斫り(ハツリと読みます)、着工、竣工、などを用いたことも、雰囲気を伝える一助になっただろうと安堵しております。
 実話系の要所は、やはりデティールだというのが、今回で実感したことです。
 こうした手触りを、今後はマダミス制作にも活かしてまいります。

◆横山全田一①

『傘の礼』
 
この話が生まれたきっかけは、当会で毎週火曜日に開催している“火曜雑談会”で、昨年の“百物語”を振り返ったときのことでした。昔話の『カチカチ山』を元にした演目の話題になり、そこから話が膨らむ流れで、昔話『笠地蔵』がどのような話か思い出せるか、という話題になりました。そのとき私は、そもそも地蔵が動き回ること自体が怪異ではないか、と、ふと思いました。それがこの話の原型です。
 そこから、頭に笠や手拭いを被せる行為がどう怪異につながるか、と考えたのですが、日頃から殺人事件のことばかり考えている者としては、真っ先に登場人物が死ぬことを考えてしまうのでした。特に、本家『笠地蔵』の話の肝でもある“手拭い”は、使い方次第では凶器にもなりうる、ということで、結末は決まりました。あとは笠を被せた5個の頭をどうするか、と考えた結果が、主人公の爺さんに降りかかった悲劇でした。
 ふとした悪口が曲解されて災厄となる戒めの話である辺りから、本物の昔話らしさを感じ取っていただければ幸いです。

◆かかしのクロウリー

『戻ってくる話』
 ごきげんよう、かかしのクロウリーです。
 今回の怪談、「戻ってくる話」いかがでしたでしょうか?
 去年の怪談が大真面目なホラーだったので、今回は大きく外れてホラー風実話怪談ギャグという、思いっきり飛び道具に走ってみました!
「奇をてらう」というのは難しいもので、うまくやらないと嫌みったらしくなってしまいます。前回の流れもあり、今年はまだスタンダードな怪談も多いから「味変」として許されるだろうと踏みましたが、読みが当たったようで、しっかりウケてくれました。
 しばらく「『崩えた祭壇』の人」から「ブーメランパンツの語り手」という認識を受ける羽目になりそうですが……まあ、仕方ないですね!
 たぶん来年またやるなら、今度はまた真面目なホラーになると思います。
 放送でも語った通り、あの話は友人から聞いた話に落ちを足して笑い話として再構成したものになっています。
 友人にも感謝を。
 来年も楽しみにしています。皆様に不思議な体験がありますように。

◆横山全田一②

『塾帰り』
 この話は、私の実体験が題材になっています。冒頭で語った、高校受験のために電車を乗り継ぎ、終電の時間まで塾に通っていた、というところまでが、私の実体験です。
 当時使われていた車両は昭和中期に製造された古いもので、特に夜になると車内は薄暗く、乗っていて良い気分ではありませんでした。
 そしてこの度このエピソードを思い出し、バックグラウンドとして利用した次第です。
 元々は、自分自身が体験した実話というていで作っていたのですが、家族が怪異に侵食されたという話は、万一真に受けられるとさすがに重すぎるだろうと考え、友人から教えてもらったというていに改めました。そして、どうせ改めるならそのついでにもう一押し加えよう、ということで、最後のエピソードを付け加えた次第です。
 この一工夫が後味の悪さに拍車をかけられていたのであれば本懐です。

◆min

『九十九神』
 今回の百物語では「体験型怪談」を目指して『九十九神』を作りました。
 怪談を聞いてドキドキしたり、ゾッとしたりしても、最後には「怖かったけれど、自分には起こらない話」と、どこか安心してしまうことがあります。そこで、マダミス作家として、怪談をどうすれば「他人事」ではなく「自分事」にできるだろう?というところから考え始めました。
 最初は「他人事」の怪談として聞いていたはずが、やがて怪異が発動する条件に自分自身が当てはまり、最後には自分の言動によって「自分事」にしてしまう、そんな構造になっています。
『九十九神』の裏設定では、話し手(min)はライブ配信に映る人形の一体で、人間と人形の魂を入れ替え、自らが人間になろうとする九十九神です。これには、「画面の向こうにいる、顔の見えない相手は、本当に人間なのか?」という問いも込めました。
 人形の言葉を逆再生すると、「エッタワク」→「代わって」、「イアサドゥク」→「ください」となります。そして、人形除けの呪文が広まった後に「人形が部屋に来た」という報告が途絶えるのは、すでに人間の身体を手に入れ、配信にコメントを返す必要がないことを示しています。
 今回の『九十九神』、最後まで「自分事」として楽しんで、そして、怖がっていただければ幸いです。

◆しゃみずい②

『窓を閉めない住人』
 こちらも『学校の窓』と同様に、実話「風」怪談です。
ただ、どちらも同じテイストでは食傷気味となりましょう。一工夫いたしました。
『学校の窓』は、学校という場所・建物をメインに据えた話運びで。
『窓を閉めない住人』は、タイトルにもあります通り、人を中心に物語が進みます。
 築年数のいった団地というのは、ほんとうにいろんな人が住んでいます。なかには、大変に癖の強い方もいらっしゃいます。
 日に10件のお宅にお邪魔したとして。均せば1部屋に2人は住んでおられて。年に200日団地の仕事があったとして。30年以上やっておりますので……。
 10万人以上の住人さんと会ってきたことになりますわね。
 そりゃあ癖の強い方にも出逢おうってもんです。
 そんな不思議なことを仰る住人さんとの邂逅を、誇張して仕上げたのが本作です。
 実体験ベースという点で初めての試みでした。
 お楽しみいただけましたら、なによりです。

◆九尾まどか(MC)

 百物語、ホラハラもとい怖がり視点を担当しました九尾まどかです。昨年に続いて呼び出され、協会員による力作を拝聴できる楽しみと共に「怖い話聞きたくないんだよぉ!(泣)」という切なる本心を抱え、参加させていただきました。
 必死でキーボード見たり、びよっびよにいちいちビビった自分に一周回って怒りを覚えたり、九話それぞれ魅力にあふれ、ぞっとしたり笑ったり、その手腕に感心したり楽しませていただきました!
 そんな中で、今年の『九尾ビビらせ大賞』はminさんに捧げたいと思います。手のひらでころっころ転がされて、最後まで嫌な気持ちを味わい、とったメモを投げました。体験型ギミックとか勘弁してください。
 また来年も呼び出されるのかな……というちょっぴり憂鬱な気持ちと、案の定寝つきが悪かった私の睡眠不足を抱え、また来年再来年と続いて行ってほしいと思います。

 以上、作家陣(とMC)によるあとがきでした。
 いかがでしたか? 読んだ後に再度語りを聞いてみたら、また新しい発見があるかも知れませんね。もしもお気に入りの怪談があったら、SNS等でハッシュタグ #JMMAA百物語 を添えて投稿して下さい!

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