ただいま、2024年の10月7日、夜の23時でございます。
昨日、10月6日は、本会に取りましても、しゃみずい個人に取りましても、大変に重要な節目となる一日でした。
日本マーダーミステリー作家協会の発足を、マダミスコネクトの会場にて
発表したのです。
しゃみめは、共同代表のひとりとして発足を宣言いたしました。
まあ、柄にもなく大舞台を踏ませていただきまして。
ありがてえやら、かっちけねえやら。
どうしてこのようなことになったのかと言いますと……。
というお話を、順を追って話してまいります。
本会の行く末に想いを寄せてくださるどなた様も、御用と御急ぎがなければ
覗いていってくださいませ。
ちなみに。
本記事は、日本マーダーミステリー作家協会の公式の見解ではありません。
あくまでも、しゃみずい個人がどのように思いながら今に至ったのかを、
発足発表の翌日に認めておこうという、それだけでございます。
何卒、ご承知おきくださいませ。
言いだしっぺ
マーダーミステリーを日本に広めてくださった元勲のおひとりに『かわぐちまさし』氏がおられます。『かんちょー』の通称でご存知の方もいらっしゃるでしょう。
で。
かんちょーが仰ったんですよ。2024年7月16日のことです。
作品権利を、複数の店舗に異なる条件で利用許諾している。
これが危ういのだ。
企業が橋渡しをして権利を管理できればいいのだが……。と。
かんちょーの提言は、至極まっとうで。
ではどうしたらいいのだろうと、思案しました。
で。
しゃみめが以下のようにtweetしたのです。
企業が橋渡しして権利を管理する。
これはもちろんタダではできない。
本来タップリ利益を取ってするお仕事です。
でも、マダミス界隈はまだまだ小さくて。
権利について企業がマージンを抜けるほどの市場規模はまだないのです。
それでも、作者が権利を疎かにするわけにもいかないわけで。
まず、その作者が損をします。権利に疎ければ、店舗に悪意がなくても
悪条件で契約してしまうかもしれません。
次に、別の作者が損をします。店舗は、前の作家と交わした条件を踏襲
するでしょうから。
なのでやっぱり、作者は自作品の権利を守るべきなんです。
でも、守り方を知らないんです。
だったら、守り方を学んで、作家同士で共有できれば。
共有できる場があれば。
作家ひとりびとりにとっても良い環境を作っていけると思ったのです。
思っただけだったんですが……。
X(旧Twitter)、LINE、Discord、などなど。
アチコチから「ほなら、オマエがやれ!」と尻を叩かれまして。
いやいや、そんな柄ではありませんと、それでもお断りしてきたのです。
ですが、檜木田さん、かるらさん、ジョルさんの3人に囲まれまして。
しゃみめを加えての4人を発起人として、マダミス作家の互助会を設立しようという運びとなったのです。
自分語り
今だって、柄にもなくと思っておりますが。
それでも本協会を立ち上げる意義については、痛いほど判るのです。
今までの経験から痛感しているのです。
しゃみめは、小さな小さな建築業の会社を経営しておりまして。
「吹けば飛ぶような」という枕詞がピッタリくるような小さな会社でして。
元請会社1社から、売上のほとんどをいただいてやり繰りをしております。
元請会社の下には、弊社のような小さな会社がゴチャゴチャっといまして。
そんな下請会社同士の互助会を結成していたのです。いたのですが……。
月イチで呑みに集まるというだけのただの懇親会で。
集まった時に「売上があがらない」だの「元請は判っていない」だのと愚痴を言うだけの集まりでした。
長らく互助会らしい機能を果たしてはこなかったのです。
しゃみめが互助会役員になったのは、今から10年以上前だったでしょうか。
その頃は、社会保険三種の全加入、建設業許可の取得、などなど……。
行政や元請からの要望が山積していて、しかも全て未着手でした。
何も手をつけずにいたら、下請会社は早晩仕事を失います。
かと言って、要望を真に受けても経費に圧倒されて下請会社は潰れます。
元請会社と交渉する必要があったのです。
下請互助会で意見を取りまとめて、
元請会社との折衝の場を設けて、
社会保険三種の全加入、建設業許可の取得、
これらを果たした際の『見返り』が欲しいと要請したのです。
結果、元請会社は要請を受け入れてくれました。
請負単価の拡充、法定福利費の拡充という形で、下請会社の売上を大幅に改善してくれたのです。
元請会社からは、
「初めて互助会から総意としての意見をもらった」
「今後も言い分があるならまず話を聞きたい」
と言ってもらえました。
酒の席の愚痴は誰にも届きません。
でも、総意を取りまとめて、折衝すれば。
下請という立場からも、元請会社に言い分を届けることができたのです。
ひとりびとりの、1社1社の言葉は弱くても。
集まって意見を交わして。
束ねた意見を発信すれば。
現状を変える力になるのだと。
このときに実感することができたのです。
マダミス作家の現状
ですのでね。
マダミス作家同士をつなぐ互助の集まりの必要性は、痛感していたのです。
マーダーミステリーというコミュニケーションゲームが日本に根付いてから、5年ほどが経ったでしょうか。
その間にはコロナ禍があり、コミュニケーションゲーム自体がひどく圧迫されてきました。
それでも、オンライン作品やパッケージ作品といったマダミスジャンルはかえって逆境を跳ねのけ、益々勢いを増しています。
店舗公演型作品も、衛生管理などの甲斐あって盛り返してまいりました。
でもこうしてジャンルの裾野が広がっていくなかで、益々ひとりびとりのマダミス作家は孤立していったように思うのです。
どんな作家がいて、どんな作品を作っているのか?
全てに目の届く人なんて、もうどこにもいないのです。
だからこそ、記事冒頭で述べたような問題が起こるのです。
誰にも相談できずに、アチコチの店舗に、別々の条件で作品を卸す。
結果、後々揉め事の原因を残すことになってしまうわけです。
しゃみめが下請互助会で意見をとりまとめて、元請会社に陳情したようなひとりびとりの愚痴で終わらない仕組みがあれば。
みんなが集まって、知見を共有し、
みんなが語らって、意見を交わす、
これができれば……。
ずっと、思っていたことなのです。
準備会立ち上げ
有り難いことに、本協会の発足に向けて力を貸してくれるたくさんの仲間が集まりました。
喧々諤々、様々な議論を交わしてまいりました。
マダミス作家のための協会を作るなら、どんな機能を持たせるべきか?
そもそも目的はなんだ?
目的を果たすための事業を具体的に立てねば!
もうね。
しゃみめが最初にボヤっと思っていたような輪郭ではなくて。
確かで、安心で、頼りがいのある協会を作るために、
凄い仲間が、凄い働きをしてくれているのです。
字しか書けないしゃみめはね、みんなのスピード感に振り落とされないように必死です。
そんなしゃみめに振られたお仕事がありました。
『設立趣意書』を書け。と。
この協会を興さなければならない理由。
この協会がなければならない理由。
これを、認めよ。と。
直感しました。
これは、大仕事だと。
既に協会の輪郭は整いつつありました。
会の目的、会の事業、さらに具体的な活動内容についても議論を尽くしてまいりましたから。
ですが、それらは多岐にわたります。
活動内容(現時点での予定です)
交流の場の用意
会員用 Discord サーバーを用意します。
すべての会員が繋がり、創作のアドバイスをしあったり、
マダミス作りの悩みを相談したり、楽しく語りあったりします。
時には、対面の交流会を開くかも。
制作ノウハウの共有
運営委員でもある実力派マダミス作家が、創作に役立つ「note 記事」を持ちまわりで書きます。
自分の創作の仕方だったり、マダミスを作るときのコツだったり。
月2本のペースで公開予定。会員は、全記事を無料で閲覧できます。
(一部の記事は、非会員でも有償 / 無償で読めます)
契約などのノウハウの共有
「契約書雛形」などを作り、広く公開します。
オンラインで定期的に、あるテーマに関して語りあう会を開きます。
マダミス作りのワークショップやセミナーを開きます。
契約に関するセミナー、著作権に関するセミナー、税金に関するセミナーなどを開きます。
メーカーや店舗などとの橋渡し
作品を求めるメーカーや店舗と、自作の販路を広げたい作家さんを橋渡しします。
(注:個別に契約を斡旋するわけではありません)
作家の地位向上、環境整備の促進
メーカーや店舗に対し、作家の諸条件改善、環境整備を提言します。
(注:個別の作品に関して交渉するわけではありません)
店舗やメーカーに「こういうマダミスを求めてます」といった記事を書いていただきます。
イラストレーターや楽曲提供者などの登録サイトみたいなものを作り、
それを必要とする作家に紹介します。
作家とメーカー・店舗が交流する場を作り、相互理解を深めていきます。
マーダーミステリーというジャンルが存在し、多くの作家が従事していることを理解してもらうように、行政機関に働きかけていきます。
引いては、マーダーミステリーそのものの地位向上と環境整備を目ざしていきます。
活動については、ざっとこれだけあります。
これからもっと増えていくでしょう。
契約周りの啓蒙活動などは、公益性の高い事業です。
懇親の機会創出などは、内部の連携、作品の醸成にかかわりそうです。
外側に広がる事業、内側に連携する事業。
公益性の高い事業、個人の実力を育む事業。
どれも大切で、どれも方向性が違います。
これらの全てを包括して、
これからの協会の行く末を示す。
そんな一言を絞り出すの……?
しゃみめが……?
知恵熱を出すほどに悩みました。
でも、それは最初に見つけていたのです。
それは、『場』です。
語らい、伝えあい、刺激し合える『場』があれば。
ひとりびとりが寄り添い、声の届く『場』があれば。
ひとりじゃない、みんなが集まる『場』があれば。
どの事業も活動も、真っ直ぐに歩んでいけると、確信したのです。
『場』を作ろう。
この呼びかけが、日本マーダーミステリー作家協会の骨子となって、
たくさんの作家をつなぎ、たくさんの作品を生み出す一助になってくれると、信じています。
日本マーダーミステリー作家協会 設立趣意書
『場』を作ろう
マーダーミステリーという刺激的で心揺り動かすコミュニケーションゲームが日本に根付いてから、5年ほどが経ちました。その過程にはコロナ禍があり、店舗公演作品はともすればここで潰えるかとも思われましたが、少人数で遊べる創意工夫、各地店舗での衛生管理などの甲斐あって、危機を乗り越え、昨今は益々大きな盛り上がりをみせています。
また、黎明期に生まれたオンライン作品も進化の途上です。新進気鋭の作家を続々と迎え入れ、繰り出される作品は連日界隈を賑わせています。配信活動で外の業界にもリーチするなど、メディアミックスも盛んです。手軽にマーダーミステリーを遊べるアプリケーションが普及し、オンライン環境は創作の苗床となりました。
このようにマーダーミステリーは多様化し、店舗公演作品、オンライン作品、コンポーネント作品と、今では様々なスタイルが生まれたのです。また、マーダーミステリーから派生した近縁のコンテンツも多種多様に広がりました。ですが、多様であるが故の問題もあります。裾野が広がりすぎて、どんな作者がどんな作品を作っているのか、判然としないのです。
マーダーミステリーを取り巻く環境が大きくなるのは、もちろん良いことです。たくさんの人が、その中で楽しむことができるのですから。ですが、そこにいるひとりびとりが言葉を掛け合うことができなかったら。孤独であったら。これは寂しいことです。ひとりの声が届かない。ひとりの想いが誰にも伝わらない。これでは、豊かな環境とはいえません。
作家ひとりびとりが、孤立に直面していると思うのです。
創作したものを世に出したい。創作を誰かといっしょにしたい。創作したものを大切に扱ってほしい。どれも、作家ひとりの力で成し遂げるのは難しいでしょう。作家ひとりの意見が、ただの愚痴となって雲散霧消してしまいます。でも、こうした声が集まる『場』があれば。作家が集い語らう『場』があれば。作家を取り巻く環境を、少しずつ良い方向へ変えていけると、そう思うのです。
わたしたちが作りたいのは、そんな『場』です。世の中をこうしたい、とか。作家はこうあるべきだ、とか。大上段から物申すつもりはありません。
ただ『場』があれば。
作家ひとりびとりが集まれる『場』があれば。声をかけあい、互いの理解を広げ、今より良い環境を構築していけると思うのです。
このたび、マーダーミステリー作家の集まる『場』となる会を、多くの方々の御賛同、御協力のもとに形作ることができました。ここに集った皆様と、そして、これから集う皆様と共に、一歩、また一歩と、あゆみを進めてまいります。
何卒、御見守りくださいませ。
令和6年 10月 4日
代表 しゃみずい
いや、これからなんです
なんか、いい感じで終わってしまいそうな雰囲気を出しましたが全てはこれからなんです。
協会発足発表の直後の今、この時点までの経緯を徒然と認めました。
決意を新たにするために。
そして、どんな想いがあって協会が興ったのかを残すために。
趣意を曲げず、時世を学び、そのときどきの最善を尽くしてまいります。
どうか、日本マーダーミステリー作家協会をこれからも御見守りくださいますよう、改めましてお願い申し上げます。

